2009.04.17 Friday
 昨年末のことであるが三井不動産が中心になって作っている「ECO EDO日本橋実行委員会」がグリーンプロジェクトを披露した。大分県竹田市の「たけた竹灯籠竹楽」で使った竹灯籠やオリジナルのキャンドル「風船ランタン」を日本橋や周辺に設置して明かりで彩った。このほか「都市楽師」たちがグリーンにライトアップされた三井本館などで音楽を演奏した。こうした催しの中で注目されたのは「ECO EDO日本橋発電所」である。
 メイン会場である日本銀行の本店前庭にあるヒマラヤ杉3本にイルミネーションを設置して点灯させた。点灯式には白川方明・日銀総裁、元環境相の小池百合子衆議院議員などが出席した。この電気は「ECO EDO 日本橋発電所」で発電する。この仕組みは床の上を歩くことにより振動で発電する。発電量は使用する圧電素子の枚数や仕様によって違うが、標準で毎秒0・1から0・3ワット発電する。この数値は体重60キロの人が1秒間に2歩ずつ歩いて発電する量である。
 この床発電は株式会社「音力発電」の技術を利用している。この会社の社長は速水浩平さん(27)である。速水さんは慶応大学の環境情報学部を卒業して、同大学院政策メディア研究科に所属している。06年9月に会社を設立して、ビジネスコンテストや新エネルギー賞などを受賞している。この仕組みで発電しているのは東京・渋谷や東京駅の八重洲北口などでも発電床を設置している。クリーンなエネルギーとして注目されている。
 速水さんはこの音や振動で発電することを思いついたことについて
 「小学校で理科の実験でモーターと発電機の仕組みが逆という言うことを習ったんです。発電するればモーターが回り、モーターが回れば発電するというものです。それならば音を出すスピーカーでも同じことができるのではないかと思ったのです。電気で音を出せるなら、音を与えることで電気を起こせるのではないかという発想がはじめです。しかし、なかなか難しかった。試行錯誤しながら研究に取り組んでここまで来ました」
 「音力・振動力発電は道路の電灯に利用できるのではないかと思います。昼間、車が走った振動を利用してエネルギーを蓄電して夜にその電力を利用しようというものです。ほかにも災害時の発電機や携帯電話の充電器や、たたくと光るような耳の不自由な人のおもちゃにも利用できます。このエネルギーのよい点は燃料がいらないということです。空気を汚すことが無くて発電できることです。まだ発電量が小さいのでそれをいかに大きくしてゆくかが課題でしょうね」
 「ECO EDO日本橋」では発電床の発電をはじめ太陽光や風力発電などの自然エネルギーを利用した電力、すなわちグリーンパワーを使った。
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2009.04.08 Wednesday
 3月2日午後に突然、テレビ朝日の「やじうまプラス」の担当者から電話があった。担当者は「東京中央郵便局の改築を巡って、鳩山総務相が文化財なので残すべきである、と言っていますがどう考えますか」というという。私は「この問題は既に昨年の9月15日付の『環境建築』で保存運動があるということは書いています。友人の建築家が全面的に保存しなければ意味が無いと言ってますが、所有者の日本郵政としてはとてもできない相談だと思います。既に大成建設が919億円で落札しているのだから、それをキャンセルすることは難しいでしょう」と答えた。
 担当者はそうした話をして欲しいという。3日の朝7時30分から放送するので夕方までにスタジオに来て欲しい、という。この日は夕方6時30分から仲間で会う約束をしているので夜9時ごろだったら「行ける」と答えた。考えて直してみると酒を飲んで赤い顔して出るのはまずいと、仲間と会う時間を遅らせることで取材を受けた。その中で「既に保存運動は2年ほど前からあって日本郵政も建築家の人で作る保存を考える『歴史検討委員会』で検討してきた。委員会の答申を受けて正面の一部を残して後ろに地上38階、高さ200mの「Jタワー」(仮称)を作ることにした。いまさら鳩山さんがいちゃもんをつけるのはおかしい。保存運動をするならもっと早くすべきである。前の増田総務相も認めたことである」と答えて鳩山さんの横槍と述べた。
 しかし、鳩山さんはこの問題に熱心で現地に足を運んで西川社長に「誰だ、こんなに壊したのは」というパフォーマンスまでした。簡保の宿の問題でオリックス不動産との契約を戻して、やり直したという自信があるのだろう。確かにこの建物は当時の吉田鉄郎氏が設計したモダニズム建築としては代表的な作品であっただろう。しかし、5階建ての建物には重要文化財の指定も無い。立て直すことで年間100億円の収入が入ってくる。郵便局会社にこれだけの収入が入るだけに、西川社長は「全国の郵便ネットワークを維持するためにも必要な建物である。予定どうり着工する」と発言した。これを支援するように桜井正光・経済同友会代表幹事は「(鳩山発言は)理解しがたい。民営化で活力と成長力のある郵政をつくるということを考えると、今度の発言はどうなのか」と批判している。
 朝日新聞は3月10日の一面で「日本郵政は東京中央郵便局の再開発計画を見直す方針を固めた。登録有形文化財としての登録を目指し、局舎の保存部分を拡大する方向で文化庁と協議する。大半を取り壊す現状の再開発案では、建物の文化的価値を理由に保存を求めている鳩山総務相らの理解を得られないと判断した」と報じている。このために4月建築確認申請、夏に着工、11年度中に完成というスケジュールはずれ込みそうである。
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2009.03.05 Thursday
東京中央郵便局と大阪中央郵便局の保存運動

 千代田区立九段中学校の同窓生に沢一郎君がいる。8月2日に長岡の花火を見に行った。彼の車で帰る時に「阿部君、東京中央郵便局が新しいビルになることを知っている?建築家の間ではこの建物を重要文化財に指定して保存しようという運動が起きているんだ」と聞かされた。沢君は日大の建築を出て設計事務所を経営していた。今までも日本工業倶楽部や東京銀行協会の改築の時にも「あの建物は歴史的に重要なのだから保存運動をしているんだ」と言う話を聞いていた。

 今回は「東京中央郵便局を重要文化財にして未来に」という「東京中央郵便局を重要文化財にする会」というビラと7月25日付の東京新聞の切抜きを見せられた。そのビラや新聞記事によると東京中央郵便局は1931年に逓信省経理局営繕課の吉田鉄郎氏が設計して作った。吉田氏は東大の建築を出て、営繕課に勤めて設計を担当して大倉土木(現大成建設)が作った。大阪中央郵便局も吉田氏が設計して1939年に作った。]

 東京中央郵便局は地下1階、地上5階の建物で、モダニズム建築として代表的な作品だった。派手な装飾をそぎ落とし、機能を追及しつつ、美的な調和を図るスタイルである。ドイツの建築家のブルーノ・タウトがこの建物をほめたことでも有名である。

 所有者の日本郵政株式会社(西川善文社長)は50年以上立っているこのビルを地上38階、高さ200mの商業ビル「JPタワー」(仮称)に建替えると6月25日に発表した。10月をメドに着工して2011年に完成する予定。保存運動に配慮して現局舎の外壁をそのまま残しながら、折り紙をイメージしたガラス張りのビルにする。
 このビルを設計したのは三菱地所設計である。三菱地所設計の関係者は「保存運動をしているのは知っている。そうした声をできるだけ配慮して設計した」と話している。日本工業倶楽部や東京銀行協会の改築でも昔の建物の一部を表面に残している。
 沢君によると「こうした一部だけの保存では本当のよさがわからなくなってしまう。重要文化財にして全部を残さなくては意味が無い。そのための運動である」と話している。保存運動の要請文には戦前の日本の近代建築の代表例であることと近代の有名な建築家の吉田鉄郎氏の作品であることに加えて、東京駅前の景観を構成する重要な建物であることを上げている。
 景観については「景観法」という法律もできて新しく建物を建てるときには景観を配慮しなければならなくなっている。今回の東京中央郵便局についてはこの景観と言う問題が出てきている。企業にとっては景観よりも効率の良い建物を建てたいというのが本音である。保存運動家とどのように妥協して行くのかが注目される。
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2009.01.29 Thursday
 環境モデル都市は地域を活性化するか?

 福田内閣は1年足らずで、崩壊してしまったが住宅・不動産については前向きな対策を出した。福田首相が自民党の住宅土地対策調査会の会長をしていたこともあった。その一つが200年住宅であり、環境モデル都市の選定である。200年住宅については欧米並みの長持ちをする住宅を造ろうということで、国土交通省が来年の通常国会で対策を打ち出す。住宅金融支援機構が50年の長期固定の住宅ローンを作ることもその一つである。
 環境モデル都市の選定も福田内閣の時に決められた。低炭素社会を作るために国際社会を先導してゆくという「都市と暮らしの発展プラン」で位置づけられた。低炭素化社会における都市や地域の活力をどのように作り出すか、ということでモデル都市を募集することになった。08年4月から40日間の募集期間にもかかわらず、北海道から沖縄まで82件(89団体)が応募してきた。温暖化効果ガスの中長期の大幅な削減目標(2050年に半減、中期目標は20−30%の削減)を設定して、その目標に向けて意欲的に取り組むという内容の応募である。これら市町村について「地球温暖化問題に対する懇談会」(座長・奥田碩トヨタ自動車取締役相談役)が書類審査とヒアリングで選んだ。カーボンフリー(100%削減)の地域創出など画期的な提案が多かった。
基準は_梗叱果ガスの大幅な削減地域適用性先導性・モデル性ぜ存讐椎柔セ続性の五つである。その結果、モデルとして五つの基準を満たしたのは大都市では横浜市、北九州市、地方中心都市では帯広市、富山市、小規模市町村では北海道・下川町、熊本県水俣市の6団体である。環境モデル候補都市としては大都市は京都市、堺市、地方中心都市は長野県・飯田市、愛知県豊田市、小規模市町村では宮古島市など、東京都特別区では千代田区が選ばれた。
 こうしたモデル都市に対しては予算の優先的な活用、国際シンポジウムの開催、海外の自治体との実務者の招聘や意見交換などを行う。このモデル都市についての取り組みの拡大とともに情報発信の体制作りを行う。
 こうしたモデル都市の支援するために関係者を集めて「低炭素都市推進協議会」(仮称)を作る。この協議会ではフォローアップの会議を開催してモデル都市の取り組みの進捗状況などの評価をする。さらに優れた取り組みに対しては表彰をする。来年度には「国際シンポジウム」を開催する予定である。
 この環境モデル都市の選定は環境省や総務省ではなく内閣官房にある地域活性化統合事務局が行っている。環境問題をてこにして地域を活性化してゆくというのが大きな狙いである。地方が元気の無い中でこうした取り組みを応援していきたい。
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2008.12.24 Wednesday
日本で一番の稼ぎ頭であるトヨタ自動車が、09年3月期では08年3月期に比べて減収減益になる見通しである。00年3月期以来の9年ぶりの減収減益である。営業利益は7割以上の減益であり、初めて下方修正をした。世界一のメーカーになり、日本のモノづくり象徴であるトヨタの凋落はショックである。米国の金融・経済情勢が悪化したことが日本のトップメーカーにも影響した。
 こうした中で、三井不動産は10月30日に発表した08年第2四半期決算では、売上げ、営業利益、経常利益ともに増収増益になった。09年3月期の見通しでも売上げ1兆5千億円、営業利益1900億円、経常利益は1650億円と過去最高の収益になる。
 トヨタは米国で利益の7割を稼いでいるので米国の経済・金融の混乱が響いている。さらに円高も足を引っ張った。それに比べて三井は賃貸やオフィスビル、分譲ともに過去最高の業績を上げている。マンション不況がささやかれており、来期については見通しは減収減益になるのではないかと見られている。
 不動産業界は米国の金融不安で、日本から資金を引き上げる動きが出て不動産会社のアーバンコーポレーション、スルガコーポレーション、ゼファーなどが倒産した。好調であった不動産の証券化もここに来てかげりが出始めている。不動産投資信託(REIT)のニューシティ・レジデンスが初めて破綻した。REITの価格も下がっている。
 こうした中で三井不動産は将来を展望して不動産証券化を研究内容とする寄附講座を東京大学公共政策大学院に解説することを決めた。米国の金融不安から日本の不動産の証券化は一時的に足踏みするとしても、長期的に見ればこの流れは変わらないという岩沙弘道社長の考えである。岩沙社長は不動産不況の時代から証券化については、先頭になって実践してきた。
 今回の寄附講座は「不動産証券化の明日を拓く」と題して21年4月から3年間の予定で行う。現在の不動産の証券化市場は国土交通省の推計によると41・2兆円に上る。これからの少子高齢化社会、低酸素社会に対応した都市構造を維持してゆくためにはPFI(民間の資金を活用した公共事業)PPP(官民一体になった公共事業)など官民連携した不動産の証券化の手法はますます必要になってくる、という考えである。
 岩沙社長も現在の不況は来年一杯は続くと予測しながらも、将来を見据えた証券化の研究をしようという狙いである。こうした長期的な視点に立った資金の使い方は三井不動産らしい。
| 不動産 | 09:21 | comments(0) | - | pookmark |
2008.10.17 Friday
米国の第四位の証券会社であるリーマン・ブラザーズの倒産をきっかけに、ニューヨーク証券取引所のダウが4年ぶりに1万ドルを割り日本の日経平均株価も1万円を割るなど世界恐慌が来るのではないかという心配する声まで出ている。日本の不動産会社もスルガコーポレーションやアーバンコーポレーション、ゼファーなどの倒産が続出している。こうした厳しい経済情勢の下で三井不動産、三井不動産レジデンシャルをはじめ積水ハウス、パナホームなどは環境に配慮した住宅作りを進めている。
 三井不動産はつくばエクスプレスの柏の葉キャンパスにあるパークシティ柏の葉キャンパス一番街の100世帯を対象にこの秋から1年半かけて二酸化炭素の排出量のモニタリングの調査を始めた。このモニタリングを進めるために電気、ガスのエネルギー消費量や二酸化炭素の排出量を表示する家庭用のナビゲーションシステムを開発した。このモニタリングは環境省の「エコ・アクション・ポイント事業」のモデル事業にも選ばれている。モニタリングが終わった後にエコ・アクション・ポイントを二酸化炭素の排出量に応じて各家庭に与える。カード会社の「ジェーシービー」と提携して希望の商品やサービスを受けられるようになっている。
 このナビゲーションシステムは10分ごとのガス、電気、水道の消費量をモニターで表示される。1日、1カ月の総消費量も表示できる。専用のサーバーにアクセスすることでパソコン画面で二酸化炭素の排出量やモニタリング参加世帯の二酸化炭素の排出量のランキングも確認できる。
 ガス、電気などの消費量を見えるようにすることで5−15%の省エネ効果があると「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)の
実証実験で確認されている。
 消費量の見える化を進めるために三井不動産レジデンシャルは東京ガスと共同で家庭用のガス給湯器のリモコン「セーブアースディスプレイ」に二酸化炭素の排出量を表示する装置を開発した。08年7月に販売開始したパークホームズ目黒中町に設置した。この装置をつけたことで地球環境に配慮した住まいを提供したということで10月に2008年度グッドデザイン賞を受賞した。
 こうした環境への取り組みは積水ハウスが太陽光による発電装置をつけた建売住宅を売り出したり、パナホームが燃料電池付きの住宅の販売を始めた。新日本石油は二酸化炭素の削減を目指す「住宅用総合エネルギーシステム」を開発して、08年度中に横浜市に150屬離皀妊觸斬陲鮑遒蝪隠闇度から70万から200万円程度で発売する。
 三井不動産の国兼洋一・広報グループ長は「環境への取り組みは景気が悪くても消費者の要望でもあり前向きにやってゆく」と話している。
| 不動産 | 08:59 | comments(0) | - | pookmark |
2008.09.03 Wednesday
国土交通省の不動産業課の毛利信二課長は08年6月の異動で官房参事官(人事担当)になった。毛利課長は1年前に京都市役所の助役から来たばかりである。毛利課長に「短かったですね。1年間で何を一番力を入れてやりましたか?」と聞いた。毛利課長は「短かった中で環境に力を入れました。業界も不満はあったのですが、良く話を聞いてくれました」と話した。
この欄でも書いたが、不動産協会(会長・岩沙政道・三井不動産社長)は二酸化炭素の量を90年の基準に対して2012年度末に5%削減するという数字を出した。こうした数字を出すことには協会の中でも抵抗が会ったが、毛利課長は役所の先輩であるH専務理事に対してかなりきつい言葉で数字を出すように迫った、と言う。満座の中でのことだったのでH先輩のほかの先輩から「そんなにきついことを言わなくても良いのではないか」と注意された、と言う。
その一方で日本ビルヂング協会連合会(会長・高木丈太郎・三菱地所相談役)は前向きな対策をとった。ビルからの二酸化炭素の排出量が多いことでその量を減らすために中小のビル業者を巻き込んで対策を出した。東京にある中小のビル業者は6月からビルの入口に二酸化炭素の排出量を表示するようになった。この協会に行った役所の先輩が毛利課長に協力してくれた、と言う。
東京都の石原慎太郎知事は環境庁長官を務めたこともあり環境問題には熱心である。本紙でも既に報道されているが「環境確保条例」を改正して、2年後から都内の大規模事業所1300を対象に二酸化炭素の排出量の削減を義務付ける。違反した会社は最高で50万円の罰金を取る。この条例が6月に都議会で可決されてから不動産業界は不満たらたらである。岩沙不動産協会理事長は「こうした条例が実施されたら、対策費が大変になり経営に響く。環境省や経済産業省など国が環境行政をしている上に東京都が独自に環境対策をするのは屋上屋ではないか。さらに具体的に条例に基づいてどのような施策が出るかもわからない」と述べている。三井不動産はこの条例によってどのような対策をとるか、秋までに試算してゆく。
こうした環境対策は千代田区でも打ち出している。地球温暖化対策が国の方針として叫ばれていることから、東京都や千代田区も独自の対策をすることは当然でもある。しかし、こうした行政により経費の負担が掛かる業界にとっては仕方がないとあきらめるわけには行かない。新日鉄の関澤秀哲・副社長は「環境税や排出権取引などの話が出ているが、鉄鋼業界は原則で反対である。こうしたことが認められれば鉄鋼業界は壊滅的打撃を受ける。環境王国になるか、事業はなくなるか、という選択である」と話している。業界も消費者も厳しい選択に迫られてきている。
| 不動産 | 09:20 | comments(0) | - | pookmark |
2008.08.11 Monday
日本でサミットが開かれたことで環境に対する関心が高まった。地球温暖化を何とか阻止しようと言う意気込みが、福田首相の発言や行動からも伺えた。排出権取引や環境税についても前向きに検討する、と語っている。これに対して経済産業省や日本経団連は消極的な姿勢である。朝日新聞社が07年6月に行った経営者を対象にした調査でも環境税に対しては「導入すべきでない」が41社で「導入すべきだ」が27社と反対が多い。排出権取引についても、日本経団連は導入に反対であり、特に電力業界と鉄鋼業界は反対の旗を降ろしていない。鉄鋼業界のこの問題の窓口になっている関澤秀哲・新日鉄副社長は「排出権取引を導入しても二酸化炭酸ガスが減るという保証はない。環境税は導入したらコストが上がって競争力が無くなる。極端に言えば環境か、昔の不便な生活に戻るのか、の選択ですよ」と反対を表明している。
しかし、こうした意見とは違って各企業は環境にやさしい製品開発を進めている。経済産業省も北海道の洞爺湖サミットの会場で二酸化炭素をまったく出さないエコ住宅「ゼロエミッションハウス」を展示して参加国にアッピールする。食品業界のサッポロビールは主力の黒ラベルの350mlの缶に製造から流通、廃棄までの二酸化炭素の量を09年から表示する。こうした表示は国内の大手メーカーでは初めてで企業として温暖化問題に取り組んでいることをアッピールし、消費者に排出量を比べながら商品を選べるようにする。
住宅業界では三井不動産が二酸化炭素の排出量をガス給湯リモコンに表示する住宅を07年7月から発売を始めた。東京・目黒区中町一丁目「パークホームズ目黒中町」で使った。このリモコンは東京ガスと共同開発したものでエネルギーの消費状況を見せることで省エネに結び付けたい、と三井不動産では話している。
新日本石油も二酸化炭素の削減を目指す「住宅用エネルギーシステム」を開発して10年度から商品化する。住宅からの二酸化炭素の排出量を90年比で半減することを目標にしており08年度中に横浜市にモデル住宅を建設する。モデル住宅は延べ床面積は150平方メートルで屋根に太陽光発電設備をおき、壁には機密性の高いシートを採用した。LPガスなどで発電する燃料電池や高効率の給湯器などを備える。新しいシステムは住宅メーカーを通して販売して行く。
いまやマスコミに環境対策をした製品が毎日のように報道されている。今まではメーカーが標的にされてきたが、これからは消費者が少しでも温暖化を防ぐような商品を選ぶ時代になってきている。そうした時に消費者の要望にあわせた商品を供給できるかどうかが、不動産業界でも勝負になってゆくだろう。
| 不動産 | 09:27 | comments(0) | - | pookmark |
2008.07.11 Friday
 6月下旬は例年3月期決算会社の株主総会である。今年は東急不動産の株主総会に出て、新しい社長の金指潔氏に広報の重要性を訴えようと思った。たまたま親父が残した株があって、東急不動産の株主になった。今までは日程の都合で出たことがなかったが、今回は何をおいても出ようと思った。植木正威社長(現会長)が広報に対して冷たかったからである。私がしている日本不動産ジャーナリスト会議に8年間社長をしている時に何べんも出て東急不動産の方針や考えを話してほしいと頼んだ。広報担当の内田君に話したが「だめなんですよ」という返事ばかりであった。不動産協会やいろいろなパーティーでそれとなく頼んでもなしのつぶてであった。
 そうした態度は今までの東急不動産の社長にはなかった。初代は五島昇氏であり、日商の会頭をしたほどで、都合がつけばいつでも出てくれた。二代目の松尾氏も三代目の安芸氏も気軽にでて会社の考えや自らの方針を述べてくれた。植木氏になってからは広報機能が働いていないと思った。
 株主総会でこうした質問をするのは「どうか」という人もいた。東急不動産で親しくしていたあるOBに相談したところ「今の総会ではいろいろな人が手を上げて発言している。是非やったら良いですよ」と激励された。
 26日は梅雨のむしむしする天気であった。午前10時から渋谷にある本社の2階の会議室で行われる。10分ぐらい前に着いたら知っている人もちらちらいた。3列目に据わった。目の前には植木会長や金指社長、中島副社長ら知っている人が並んでいた。最初に金指社長が議長になり76期の決算の報告などを述べた。質問はこの報告書を読み上げた後にしてほしいという。報告が終わったすぐにさっと手を上げて立ち上がった。なかなか勇気がいる。知っている人が多いだけに気を使う。
 「植木会長は8年社長をやり無配から配当するまでに業績を上げてご苦労様でした。金指社長もぜひ株価を上げるように努力してほしい。ところで3点について質問します。一点は広報体制についてどのようになっているか。二点目はこの広報と社長のパイプがどうなっているか。3点目はこれからの情報発信をどうするか。特に広報と社長のパイプでは五島、松尾、安芸時代は良かったのに植木氏になってからパオプが細くなってしまった。金指社長はどう考えるか」
 金指社長は「これからはこのパイプを太くして情報を出してゆきたい」と答えた。
期待したいと思う。
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2007.12.07 Friday
住宅金融支援機構理事長 島田精一さん(しまだ・せいいち)

 東京都生まれ。61年東京大学法学部卒。同年三井物産入社。イタリア三井物産機械部長、ハーバード大学経営大学院卒。92年三井物産取締役情報産業本部長、00年三井物産副社長。01年日本ユニシス社長。05年8月住宅金融公庫総裁。07年4月から現職。70歳。


官から民に転換するために経営倫理が大切

 ―住宅金融公庫が07年4月に独立行政法人の住宅金融支援機構に変わり、早速、経営倫理実践センターに入会しましたが狙いは何でしょうか?


 「私は1年半前に住宅金融公庫の総裁として、日本ユニシスの社長から来ました。官庁から民間の機関に変えるために一番必要なことは意識を変えることです。それまではお金を借りている人を債務者と言ってきたり住宅メーカーのことを代理店と言って、低く見ていました。こうした意識改革をするためにも経営倫理を身につける必要があると考えました。幸いに三井物産や日本ユニシスの時代にBERCの水谷雅一会長を知っていたので入会しました」


 ―具体的に1400人の職員に経営倫理を浸透させるために何をしていますか?


 「経営方針を作りました。改革の基本は生産性の向上、顧客価値の創造、企業文化の変革を上げました。同時に経営理念を制定しました。それは『私たちは自立的で、透明性・効率性の高い経営のもと、顧客価値の創造を目指して多様な金融サービスを提供することにより、住宅金融市場における安定的な資金供給を支援し、わが国の住生活の向上に貢献します』です。組織もコンプライアンス・法務室を作りました。ここが窓口になり、各部に連絡しています。室長がBERCの会合に出て、それを下ろしています。コンプライアンスに詳しい外部の弁護士などに来てもらい話を聞いてます。たまたま今日もその会があり私も出てました」


 ―仕事はどのように変わったのでしょうか?


 「住宅金融公庫の時代は国がすべて面倒を見ていました。建設省(現国土交通省)と大蔵省(現財務省)のOBがトップに来てその人の言うことを聞いていればよかった。民になればそうは行きません 
| 不動産 | 11:16 | comments(0) | - | pookmark |
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