2011.05.09 Monday
 

原子力発電をなくして良いのか?

 3・11の地震、津波に加えて東電の福島第一原発の放射線漏れが大きな問題になっている。95年1月の阪神淡路の震災、07年7月の新潟・中越沖地震でもなかったことである。事故の大きさを示すレベルも5から7に引き上げられて25年前におきたロシアのチェルノブイリ事故と同じ事故だと日本の原子力安全・保安院は認定した。

 今回の放射線漏れの事故をきっかけに原子力発電について存続すべきかどうかを含めての議論が出てきた。日本記者クラブは今回の地震についての勉強会をシリーズで始めた。最初の講師は環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長である。飯田氏は鉄鋼メーカーで原発の仕事をしてきて「原子力村」の閉鎖的なところがいやになって辞めて今の仕事している。飯田氏は今回の原発事故について「原子力村の人たちが起こした人災です。無能、無策、無責任の人たちだった」と決め付けた。原発は時間をかけて止めてゆきたい太陽光、風力、潮力、バイオマスなどの自然エネルギー100%に変えてゆくべきである、と主張する。

 東大工学部の大学院を出てJR東日本に17年勤務して現在は交通についてのコンサルタントをしている阿部等ライトレール社長も原発については「新規はすべて取りやめて現存のものは順次廃棄してゆかなくてはならない。原子力から石油への回帰は避けがたい」とある勉強会で発言している。

 このように原発について反対の声が出ている。原発のデータ隠しで当時の東電の社長が辞任した時にもこうした反対論が出ていた。しかし、今回の放射線漏れは住民の健康被害にまで及ぶために今までの反対論よりも一段と強い。海外などでも「フクシマ」といって原発についての報道がが米国、ロシア、ドイツなどでは連日紙面やテレビで流されている。

 東電の清水社長をはじめ幹部は頭を下げまくっている。しかし、今回の想定外の自然の力により引き起こされた事故で東電の3割を占めている原子力をやめてしまって良いのだろうか?1基で120万キロワットの電力が出来る原発を飯田氏のように自然エネルギーですべてを変えるには問題もたくさんある。日本での太陽光の発電は海外に比べて効率が良くない、といわれている。風力については騒音の問題で苦情が各地で出ている。40年前に出来た福島原発は当時、日本の原子力発電の技術を結集して作り上げた。当時の木川田一隆社長などが海外への実情を勉強して安全第一に作った。ゼネコンもこうした電力会社の人たちと協力して海外の技術を導入していった。そうした努力が現在の米国、フランスについで多い54基になっている。それをすべてなくして日本のエネルギー政策は大丈夫なのだろうか?(阿)

| 建設論評 | 09:55 | - | - | pookmark |
2010.04.08 Thursday
17団体の共同宣言は実現するのか?

 年末のあわただしい12月7日に建築業協会、日本建築士事務所協会、住宅生産団体連合会など建築士団体や建築業界、不動産、都市計画関係学会など17団体が「建築物温暖化対策についての共同提言」を行った。それによると家屋やビルなどの建築物が地球温暖化に及ぼす影響をゼロにするという勇ましいものである。これにあわせるように国際建築家連合(124カ国加盟)も「デザインや適切な材料選択で温暖化効果ガスを50−80%削減できる」というCOP15が開かれたコペンハーゲン宣言を発表した。17団体は宣言の実現を目指して行動計画を作ってゆく、という。

 国土交通省の調べによると住宅や建築物を利用することによる排出する二酸化炭素は全排出量の3分の1に上る。年々増えており90年比で1・4倍の増加である。家庭用だけの排出量は14%である。国交省としてもこうした二酸化炭素の排出量をどのように減らしてゆくかで頭を痛めている。そうした中で環境対策として打ち出しているのが住宅エコポイント制度の導入である。省エネの冷蔵庫やデジタルテレビ、クーラーなどの家電製品と同じ制度を取り入れた。太陽光発電などの導入については補助金のほか余った電力は東京電力などの電力会社が買い上げるなどの補助があった。しかし、住宅そのものには環境対策が無かったので、前原国交相がエコポイントの導入をした。

 住宅でエコポイントが与えられるのは内窓の設置や複層ガラスの交換、外装や天井などの断熱材施工などのエコリフォームが対象になる。

 前原国交相は新年度の予算では景気対策に力点をおき、贈与税の非課税枠を500万円から1500万円まで3倍にした。このことで60歳以上が7割もつといわれている1400兆円といわれている資産を住宅建設に活用することを狙っている。息子や娘に少しでも良い住宅を作りやすいようした。馬渕・国土副大臣も「この制度で住宅着工は増えるはずだ」と話している。観光対策などに比べて環境対策については手薄といっても良いだろう。

 そうした中で東京都は10年4月から排出量取引を開始する。都内の1400事業所を対象に一定の二酸化炭素の量が超えた場合には罰則を与える。このため、こうした事業所にとっては排出量取引によって排出量を買うという動きも出てくるだろう。東京都に続き環境省は排出量取引や環境税の導入も検討している。東京都と国が同じ取引制度では意味が無いだろう。どのように違うものが出てくるか。こうした東京都や国の動きを見て17団体が共同宣言を出したのだろうが、かなり画期的なことをしなければ宣言倒れになってしまうだろう。一時しのぎではすまない
| 建設論評 | 19:19 | comments(0) | - | pookmark |
最新記事
カテゴリ
月別記事
CALENDAR
S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< April 2017 >>
モバイル
qrcode
LINKS
PROFILE