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2008.10.07 Tuesday
千代田区立九段中学校の同窓生に沢一郎君がいる。8月2日に長岡の花火を見に行った。彼の車で帰る時に「阿部君、東京中央郵便局が新しいビルになることを知っている?建築家の間ではこの建物を重要文化財に指定して保存しようという運動が起きているんだ」と聞かされた。沢君は日大の建築を出て設計事務所を経営していた。今までも日本工業倶楽部や東京銀行協会の改築の時にも「あの建物は歴史的に重要なのだから保存運動をしているんだ」と言う話を聞いていた。
 今回は「東京中央郵便局を重要文化財にして未来に」という「東京中央郵便局を重要文化財にする会」というビラと7月25日付の東京新聞の切抜きを見せられた。そのビラや新聞記事によると東京中央郵便局は1931年に逓信省経理局営繕課の吉田鉄郎氏が設計して作った。吉田氏は東大の建築を出て、営繕課に勤めて設計を担当して大倉土木(現大成建設)が作った。大阪中央郵便局も吉田氏が設計して1939年に作った。
 東京中央郵便局は地下1階、地上5階の建物で、モダニズム建築として代表的な作品だった。派手な装飾をそぎ落とし、機能を追及しつつ、美的な調和を図るスタイルである。ドイツの建築家のブルーノ・タウトがこの建物をほめたことでも有名である。
 所有者の日本郵政株式会社(西川善文社長)は50年以上立っているこのビルを地上38階、高さ200mの商業ビル「JPタワー」(仮称)に建替えると6月25日に発表した。10月をメドに着工して2011年に完成する予定。保存運動に配慮して現局舎の外壁をそのまま残しながら、折り紙をイメージしたガラス張りのビルにする。
 このビルを設計したのは三菱地所設計である。三菱地所設計の関係者は「保存運動をしているのは知っている。そうした声をできるだけ配慮して設計した」と話している。日本工業倶楽部や東京銀行協会の改築でも昔の建物の一部を表面に残している。
 沢君によると「こうした一部だけの保存では本当のよさがわからなくなってしまう。重要文化財にして全部を残さなくては意味が無い。そのための運動である」と話している。保存運動の要請文には戦前の日本の近代建築の代表例であることと近代の有名な建築家の吉田鉄郎氏の作品であることに加えて、東京駅前の景観を構成する重要な建物であることを上げている。
 景観については「景観法」という法律もできて新しく建物を建てるときには景観を配慮しなければならなくなっている。今回の東京中央郵便局についてはこの景観と言う問題が出てきている。企業にとっては景観よりも効率の良い建物を建てたいというのが本音である。保存運動家とどのように妥協して行くのかが注目される。
| 観光問題 | 11:07 | comments(0) | - | pookmark |
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