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2009.05.28 Thursday
 御手洗会長は就任した時は重厚長大産業から選ばれてきたのを、軽薄短小の精密業界から初めて出てきたので期待も大きかった。御手洗ビジョンを打ち出し、国歌、国旗を大切にし、愛国心を高めることを訴えた。道州制実現に力を入れてきた。安倍晋三内閣ができ、憲法改正や教育改革に力を入れているのに同調した。安倍総理が「美しい国へ」という本を出し、御手洗会長は「希望の国へ」というビジョンを打ち出し、経団連の月刊誌で「美しい国と希望の国とは会い通じるものがありますね」と親しげに対談した。また、「強いニッポン」(朝日新書)という本を出し、伊藤忠商事の丹羽宇一郎会長と「会社は誰のために」(文藝春秋)を出版した。スタートした時には「何かやるのではないか」と期待を持たせた。ところが朝日新聞はキヤノンの偽装請負を徹底的にキャンペーンした。

 製造業の派遣社員は3年たった時には、社員にしなくてはならない。社員にすると人件費が高くなるので、身分を請負にして社員化を免れる。こうしたことが偽装請負とされてキヤノンの宇都宮事業所や大分キヤノンなどが労働基準監督署に摘発された。

 偽装請負の問題だけではなく、就任早々に道路特定財源の問題で経団連会長と経済財政諮問会議の委員との意見が違うことから「二枚舌」と書かれた。こうしたことが続いて御手洗会長は朝日新聞への広告の出稿停止を約1年続けて評判を落とした。この問題について日本記者クラブで質問されて「言論統制などではない。悪口を書かれている新聞に広告を出しても経済効果はないと言うことである」と平然と答えた。

 米国に23年間、仕事をしていたことで米国の経営については詳しい。米国が製造業を軽視して金融で失敗したことなどは十分知っている。御手洗会長は「米国の短期の利益を追求する経営方式は良くない。経営者が高い報酬を取っていることはおかしいと思う」とキヤノンは日本的経営を続けている。そうした考えの御手洗会長のキヤノンが偽装請負や不況になってすぐに派遣社員の首を切る「派遣切り」をしたことで、評判を落とした。

 大賀社長を重用した罪
 御手洗会長のようにいろいろな問題を起こし評判の悪い会長はいないだろう。その最大のものは09年2月に法人税法違反で逮捕されたコンサルタント会社の「大光」の大賀規久社長との付き合いであろう。大賀社長とは大分県・佐伯鶴城高校の同級生でキヤノンに入社した兄を通して知り合った。大賀社長はキヤノンの工場の建設を巡りゼネコンの鹿島に受注させたことから、斡旋料を受け取り、脱税したことから東京地検特捜部に逮捕された。大賀社長とは御手洗会長とは親しい関係がある。社員の結婚式には出ないという御手洗会長は大賀社長のキヤノンに勤めている長男の結婚式に出て挨拶をしている。また、大分駅前の御手洗会長の所有地の管理を大光に任せていた、事も明らかになった。
 大賀社長はキヤノンの役員室の改装などの工事を請け負っているほか、キヤノンのいろいろな仕事をしている。御手洗会長と親しいということでこうした仕事を取った、と見られている。
 大賀社長はキヤノンの役員室もフリーパスで通っていた、といわれている。犯罪人を我が物顔に社内を闊歩させる御手洗会長の倫理観は問題である。経団連には平岩外四会長時代に「企業行動憲章」が作られて3回改定している。「経済人は疑惑をもたれることはしてはならない」ということが書かれている。こうした行動憲章の見本とならなくてはならない御手洗会長が自らこうした行動をしていることは、反省する必要があるだろう。
 米国に23年いた御手洗会長にとって大分県の昔なじみの友達は頼りになったのだろうが。

 「経団連、顔を知らねば老人会」(坂戸・宮原常寿)という川柳が4月12日の毎日新聞に出ていた。今や経団連も老人会に堕してしまったのだろうか。 
| 経済・財界 | 08:30 | comments(0) | - | pookmark |
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