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2010.02.06 Saturday
お堀端に建っているパレスホテルは、皇居の杜(もり)に近いことから上から見る景色がよいことで評判である。個人的なことを言う私はこのホテルで35年前に結婚式を挙げた。皇居が見える場所ということで出席した人の評判は良かった。このホテルが改築を検討している。パレスホテルが千代田区の審議会に出した計画によると現在の10階30mの高さを地上23階約100mのオフィスとホテルの混合ビルにする。

 この計画に対して千代田区議会は「景観保護の意見書」(皇居周辺の景観保存)を議決して、千代田区と東京都、国土交通省に出した。これに対して国土交通省は景観条例を具体的に決めるのは地方自治体の問題だとして取り合わない方針。それに対して東京都は景観条例に基づき区域指定をする方針である。2016年のオリンピック招致の問題もあり、石原知事は前向きに検討するように指示している。

 一方、こうした動きを見て宮内庁もパレスホテルの建物が宮内庁病院の正面に向き合うために向きを変えるように配慮を求めている。

 歴史的な建物保存に取り組んでいる市民団体も08年11月に東京・神田でシンポジウムを開いた。

 こうした動きに対して千代田区とホテルは「ホテル側は200mまで建てられるのに半分の高さに抑えており、問題は無い」と反発している。

 皇居周辺の建物については景観という問題だけでなく天皇陛下が住んでいる皇居を見下ろす、という神格論争も加わり経済、社会的な問題を超えて話題になってきた。最初に問題になったのは66年の東京海上火災保険が入っているビルの改築である。東京海上は127mの高さのビルにしようと計画したのに対して反対運動が起きて100mに変えた経緯がある。その後、90年代後半には丸ビル、新丸ビルの高層化に対して反対運動と保存運動が起きた。この時は小泉内閣の規制緩和の動きもあって07年に新丸ビルが約198mで決着した。この地域は100から200mまでの高さで立てられることになっている。

今回のパレスホテルの反対運動はこうした景観保護ということでは第3次の問題ともいえる。東京都がどのような条例を作るかで、千代田区とホテル側との間で問題になってゆくだろう。

国土交通省が景観法を制定してから、景観保護が大きな問題になってきたことは結構なことである。しかし、この千代田区では05年秋にオープンした「イタリア文化会館」の赤い壁に対して周辺住民から不満が出たが、そのままになったいきさつがある。ホテルの高さを抑えるようなことになれば逆に新丸ビルをどうして認めたことにもなろう。ホテル側の申請を前向きに認めるべきであろう。
| 兼平様論点の原稿 | 15:42 | comments(0) | - | pookmark |
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