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2010.04.25 Sunday
兼平さん環境建築の論点です

 スペインは風力発電で一石二鳥

 朝日新聞経済部のOBが2ヶ月に一回、現役の記者を呼んで勉強会「ニ水会」を開いている。4月14日は小森敦司編集委員に来てもらった。小森編集委員は現在、環境・エネルギー資源担当でこの日は朝日新聞社から出版したばかりの「エコ・ウオーズ」という本を持ってきて「温暖化は防げるか?」というテーマで話しをした。まず、日本の90年比25%について電力、鉄鋼、化学業界がいかに抵抗しているか、という話しをした。麻生政権とは違う目標を出したことに小森編集委員は「この目標に向かって努力して実願すれば日本の産業は一段と強くなる」と話した。

 そうした中で世界の情勢について話したが、ビックリしたのはスペインの風力発電である。スペインといえば国際収支が悪く「PIGS」(ポルトガル、アイルランド、ギリシャ、スペイン)といわれているうちの一つである。このスペインは風力発電で国内の全発電量の13%をまかない、風力発電メーカーの「イベルドラ・レノバブレス」という会社は1兆7800億円の株式の時価総額がある優良企業に育っている。

 本文の中でこうした記述が出てくる。

 「2009年11月8日は風が強い日だった。午前4時半から1時間半、スペイン全土の電力供給の53%を風力発電が占めた」

 ドンキホーテの物語で風車が出てくる国だけにこうした風力発電は得意なのだろう。

 こうしたスペインに比べて日本では新しいエネルギーによる発電量は0・7%であり、この中で風力発電は36・9%と4割近くを占めている(07年のエネ庁資料)。その上に風力発電には騒音、鳥の衝突などの公害問題もあり日本ではなかなか増えてゆかない。

 日本では風力よりも太陽光発電に力を入れてきており、政府の補助金が出たり、電力会社が余った電力を買うなどして増やしてゆく方針である。太陽光発電についてもこれを利用しない消費者が太陽光発電の電力会社の買い上げで、電力が高くなるという問題も出ている。

 東京都は4月1日から温暖化ガスを少なくするために都内の1400事業所を対象に罰則をつけた初めての規制を始めた。大手事業所はこの規制をクリアするためにいろいろな努力をしている。既にこの欄でも書いたが三菱地所の新丸ビルは自然のエネルギーによる電力を使い始めている。青森県からの風力発電が50%、小水力電力発電40%、バイオマス発電が10%の割合である。こうした例はまだ多くはない。小森編集委員によると都内の事業所は規制をクリアすることは難しいとして排出量取引で何とかしようとしている。このために地方の排出量が余っている会社を訪ねているという。これから本格的な環境の戦い(エコ。ウオーズ)が始まるのだろう。(阿部和義。元朝日新聞編集委員)
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