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2010.06.18 Friday
 米倉・日本経団連会長に早くも不安の声

 日本経団連は5月下旬の総会で御手洗冨士夫・キヤノン会長から米倉弘昌・住友化学会長に交代する。御手洗会長は就任早々にキヤノンの偽装請負の問題や経済財政諮問会議の委員として経団連会長の発言と違うことを言って二枚舌などの批判を浴びせられた。2期4年は持たないのではないか?という声も出たほどである。しかし、経団連の中村芳夫事務総長の支援で何とか乗り切った。こうした支援に対して御手洗会長は中村事務総長を副会長に昇格させたほどである。花村仁八郎・事務総長以来のことである。

 この満身創痍であった御手洗会長が選んだのが米倉新会長である。米倉氏が会長になったひとつの理由は中村事務総長と関係が良いということである。米倉氏は長谷川周重・元経団連副会長の秘書を務め海外などを回った。中村事務総長も経団連で国際経済部長など国際畑ということで米倉氏とは親しい。そうしたことも今回の人事に絡んでいる。

 72歳という年齢も経団連の内規に違反している。副会長で70歳以下という内規がある。そうした中で選出されているだけに支援体制がしっかりしなくてはならないが、今のところ見えてきていない。トヨタ自動車の豊田章一郎会長の時は20人近くの人員を経団連の仕事に当てた、といわれる。住友化学では広瀬博社長(当時は副社長)が米倉副会長の補佐役として務めていた。今回の米倉会長の補佐役は高尾剛正専務が陣頭指揮をとるといわれている。ところがサウジアラビアの石油コンビナートも担当しており、財界関係者には知られていない。御手洗会長は「キヤノンの支援が少なかったことが悔やまれる。経団連の事務局に頼りすぎた」と後悔している、という。

 鹿島が海外事業で初の営業赤字

 鹿島建設は2010年3月期の連結営業利益が90億円の赤字に転落する。営業赤字は1961年に上場して以来のことである。この赤字の原因は海外での工事である。一番大きいのはアラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国の地下鉄工事「ドバイ・メトロ」の損失である。この工事は国内での公共事業が少なくなった05年に大林組と総額2280億円で共同受注したが建設資材費や労務費の高騰で採算が悪化した。こうした工事の損失が合計で300億円を超している。このは他、アルジェリアの工事でも工期が大幅に遅れており損失が出るのではないか、といわれている。

 大林組もドバイの工事で700億円の営業損失を出している。このために当初は最終利益が75億円と見ていたのが540億円の赤字に転落する。

 大成建設や清水建設も海外事業では多額の損失を出している。こうしたゼネコンの海外事業は不振を極めているのにもかかわらずに国土交通省は成長戦略の中で、観光振興とともに建設業の海外進出を入れている。ゼネコンのある幹部は「国土省が海外に出てシステムを売り込めといっても今までの惨憺たる赤字ではとても出られない。保険などの手厚い保護が必要ではないか」と反発している。ゼネコンにとっては海外事業は国内の公共事業が少なくなった時に進出するが円高などで再三に亘り痛い思いをしてきている。新しい方策が無ければ成長戦力になるとはいえないのではないか?
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