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2017.08.02 Wednesday

イスラエル経済の今(上)

 

 フツバー精神が強さの秘密

 

 今、日本でイスラエル経済に対して熱き思いが注がれている。850万人の人口しかいないところに日本人が続々と詰めかけているとともに日本ではイスラエル・セミナーが満員の状況である。中東のシリコンバレーと言われ新しい技術開発が進んでいる。マイクロソフト、グーグル、アップルなどの米国の先端企業がイスラエルに開発拠点を作っている。そうした時に日本の経済団体の「経済同友会」が初めて使節団を昨年4月に出した。小林喜光団長(経済同友会代表幹事・三菱ケミカル会長)はイスラエル経済の強さについて「フツバー精神」があるという。この言葉は「毛の生えた心臓、鉄面皮、生意気さ、すさまじいガッツ」などの意味があるが、失敗しても何度でも立ち上がる不屈の精神が込められている。「ゼロからいち」「スタートアップネイション」のイスラエル経済の強さはヒト、カネ、モノにあるだろう。

 

 国防軍が人材提供

 

 日本と違ってイスラエルは徴兵制である。男女ともに原則3年間は徴兵に服する。高校卒業時に兵役に就くが卒業時の学籍成績、敵性で配置が行われる。極めて優秀な学生千人は通称「8200部隊」といわれる参謀本部諜報局に配属されていろいろな問題解決の使命が課せられる。ここでの共同生活、共同作業によりリーダーシップの育成が図られている。この部隊の卒業生は「8200EISP」という団体を作り1万4千人が企業家や様々なイノベーション支援を行っている。また、イスラエルは世界各国から移民を受け入れておりソ連の崩壊後に120万人が流入したと言われるロシア系ユダヤ人がエンジニア・研究者の底上げをしている。

 

 海外からの投資も活発

 

 海外のユダヤ人や外資企業の研究開発投資も活発である。ハイテク企業に対する投資額も急増している。イスラエル経済に詳しい西村誠司・当協会ビジネス交流委員は「2015年にはベンチャー企業に5千億円の投資があった。一方で企業買収がほぼ同じほどあり投資された分は回収されている」と話している。研究開発費、民間のR&Dの予算もともに対GDP(国民総生産)比で世界最高水準にある。人口一人当たりの投資額は世界第一位であり日本の100倍に達する。

 

 省庁横断のチーフ・サイエンティスト制度

 

 イスラエルのイノベーションを進めるうえで重要な役割を果たしているのは「チーフ・サイエンティスト」制度である。経済省、科学技術宇宙省、教育省、農業省、通信省など科学技術に関連する主要省庁には各省に「チーフ・サイエンティスト室」がある。各省庁が管理する予算配分、意思決定に対する責任を負っている。各省庁横断的なチーフ・サイエンティスト会議もある。経済省のチーフ・サイエンティストが全体の統括しており調整・戦略立案にあたっている。民間のインキュベーター(ベンチャー企業への資金の出し手)との連携もしている。経済省のチーフ・サイエンティストのアヴィ・ハッソン氏は昨年、日本記者クラブで日本への協力のために記者会見をした。

 

(経済同友会のイスラエル・ミッション報告書を参考にさせてもらった)

     

 

 

 

 

 

 

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