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2018.09.04 Tuesday

誰がテレビを殺すのか

刺激的なタイトルの本が角川新書から出版された。著者はテレビでコメンテーターとして人気のある夏野剛さんである。夏野さんはNTTドコモの執行役員でiモードを立ち上げた功労者であり、現在は慶応大学の特別招聘教授のほかドワンゴなどネット会社の役員を勤めている。テレビやネットメディアについては一番よく知っている人である。その夏野さんがテレビは新聞と同様に見られなくなってゆき、なくなるテレビ局も出てくるだろうと厳しい見方を書いている。
ネットフリックス、アマゾンプライムビデオ、ニコニコ動画、YouTube,Hulu、U・NEXTなどのネットの配信サービスがテレビを殺すことになる、というのが夏野さんの第一の要因になっている。
17年10月に発表されたデロイトトーマツ・コンサルティングの調査によると33歳までの若者たちはニュース・情報を得る手段としてテレビが一番の情報源になっているが、次はネットを利用するSNS(ソーシアル・ネットワーク・サービス)を上げている。今やテレビは見るもののネットの配信サービスで情報を得ていることがわかる。この調査によると51歳以上の人たちはテレビが第一位であることは変わらないが、二番目に来るのは新聞である。若者たちは新聞は一番低い手段で読んでいないことがはっきり出ている。
夏野さんによるとテレビを一番熱心に見ているのは定年になり暇な60歳以上である。この人たちは若い時に安保騒動などででもデモに参加した人であり、今の権力者たちに批判的である。
この老人が朝から昼のニュース、情報番組を熱心に見ている。このために政府に対して批判的なニュースを流している。安倍首相に対しても身内が絡んだ森友学園や加計学園について熱心に報じた。コメンテーターなどについてもこうした問題に厳しい人を選んでいる。テレビ朝日のニュ−スステーションをはじめTBSのサンデ―モーニングなどは批判的な発言をする人が多く使われている。宣伝ンも若者は相手ではなく老人向きの製品が宣伝されている。
夏野さんはテレビは情報を流すにしてもドラマなど創るにしても一番力がある、という。しかし、豊富な資金のあるネットフリックスなどは番組を作るのに民放の同じ番組でも20倍の金を投じることができるという。米国ではハリウッド映画のスターもネットフリックスに出演している。こうしたことから日本でもこうしたことが起きてくるだろうと予測している。
テレビ局は番組制作力を強化してゆき、この番組を配信サービス会社に流してゆくようになるのがこれからの課題、と書いている。昔、映画会社が自社の俳優をテレビに出ないようにしたこともあるが、テレビ会社が配信サービス会社の製作に協力しなくては共存していけない時代になってきている。
6月に日本民間放送連盟(民放連)の会長に就任した大久保好男会長(日本テレビ社長)は7月23日に日本記者クラブで記者会見して当面の課題としてネットへの対応をどうするかを上げた。その中で大久保会長は「ネットのニュースはまだ信頼性に欠けている。テレビのニュースは正確である、ということで対応してゆきたい」と語った。

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