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2019.05.30 Thursday

日銀は昔の軍隊と同じか?インパール作戦に入ったのか

 

私の朝日新聞経済部の記者時代で一番充実し勉強していた時は日銀の担当時代である。40年以上前だが森永貞一郎総裁・前川春雄副総裁の時代であった。森永総裁など日銀の幹部の発言は重かった。公定歩合の取材などでは毎日夜回り、朝駆けで一句、一句を吟味してキャップなどといつ上げるかなどの方向を見定めた。


それに比べると今の黒田東彦日銀総裁などの発言は軽すぎるし、失敗をしたことに責任を取るどころか図々しく居直っている感じである。6年前に華々しく登場した黒田総裁、岩田規久男・副総裁は「2年以内に消費者物価を2%に上げデフレ脱却を目指す。実現しない時には責任を取り辞任する」とまで勇ましかった。ところが物価は2%には届かないどころかデフレが続いている。物価を上げて景気を良くするというリフレ派の学習院大教授だった岩田副総裁などは「2%にならなかったら辞職する」とまでたんかをきった。その発言はどこへやらほッ被りして舞台から消えていった。


こうした日銀幹部に対して日銀を取材していたOBたちは怒っている。そうした怒りを納めるような本が出た。朝日新聞編集委員である原真人氏が小学館新書で「日本銀行『失敗の本質』」 という本を出版した。原氏は安倍晋三首相の経済政策について「アベノミクス」と命名した最初の記者である。黒田日銀総裁の誕生から記者として観察してきた。その結果を今回の本にまとめた。それによると黒田日銀総裁の金融政策は戦前の軍部が取った作戦と驚くほど似ているという。開戦前夜から失敗の発端、奇襲、転機、強行、誤算、泥沼と日銀の政策と比較している。強行というところではマイナス金利をEUと同じように導入した。これは軍がインドを攻略するために立てたインパール作戦である、という。悲惨な戦いになり食糧不足で何万の将兵が死んだ。さらにレイテ沖海戦になり、現在は沖縄戦で泥沼に陥っている。


国の借金がGDPの2倍以上あるという異常な状態の中で日銀は国債を発行して上場投資信託(ETF)、上場不動産投資信託(Jリート)を買い続けて株価を維持し景気を下支えしている。この結果、日銀が大株主の会社が増えてきている。原氏はこうした現象を「財政ファイナンスの罠」と解説している。


こうした原氏の説に対して援護する経済理論が出ている。MMT(モダン・マネタリー・セオリ)である。日本は財政赤字にも関わらずに物価は上がらずにそれなりの経済成長をしており、もっと財政を使って介在成長を目指すべきである、という。米国のニューヨーク州立大のケルトン教授が4月17日の朝日新聞で述べている。


私はこの説を取らずに原氏の日銀の失敗と考える。バブルと同じように結果が出るのは先である。しかし、財政をこれ以上増やすことは子供たちにつけをまわすことになろう。


原氏は広報ソルーション懇話会主催で7月1日に日本記者クラブで「日銀の失敗とアベノミクス」というテーマで講演をする。

 

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