<< 本田靖春氏の「不当逮捕」を読み馬場君をしのぶ | main | 如是我聞完結編 >>
2020.10.07 Wednesday

アラブ2か国と国交回復
トランプ大統領の戦略に合わせたイスラエル


太郎 今年の9月までにアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンと相次いでイスラエルが国交を回復したが、どうしてここにきて急に仲が良くなったの?

 

阿部 イスラエルは諜報機関の「モサド」などのトップが湾岸諸国と秘密裏に高官と接触をしてきた。ネタニエフ首相などももちろんいろいろなルートで交渉をしてきた。そうした地盤ができているところに米国のトランプ大統領が11月の大統領選挙のためにひと
押しした。
このほかにイスラエルや湾岸国にとってはイランの脅威が大きくなってきている。核の脅威だけではなく民兵などがアラブ諸国に武力で進出しているという情報もある。イスラエルとアラブ諸国は1948年のイスラエルの建国以来敵対関係で来た。ここにきてイ
ランが敵になってきたのでそれを防ぐためには敵の敵は味方という論理で結びついたという面もあるね。

 

太郎 トランプ大統領が選挙で忙しいのになんでイスラエルと中東の国のためにこうした外交交渉をしたの?

 

阿部 今回の大統領選で苦戦が伝えられているトランプ大統領は人気を回復するためにイスラエルとアラブ諸国との国交回復に全力を挙げ実現した。米国ではキリスト教福音派が選挙民の4分の1を占めているといわれている。この層は親イスラエルの傾向が強いので
、選挙で票をとるにはイスラエルのために役立つことをしなければだめだ。そのためにはアラブ諸国とイスラエルの国交回復するのが一番だ。
トランプ大統領の娘婿のクシュナー上級顧問がこの交渉に一肌脱いている。クシュナー上級顧問はユダヤ人であり、イスラエルとの関係は深い。トランプ大統領の信頼も厚くイスラエルの駐米大使館をテルアビブからエルサレムに移すことを決めたときもクシュナー氏が働いたといわれている。


太郎 米国の大統領選挙のための国交回復ということなのか。


阿部 一つのきっかけではあるが、なぜこの時期に相次いで国交回復したのかというのはトランプ大統領の力が強かったということだ。それにしてもいままでイスラエルとアラブ諸国はエジプト(79年)、ヨルダン(94年)が国交回復しただけなので、ここにきての2か国の国交回復は、米国のトランプ大統領の力が大きかったということだ。

 

太郎 国交回復でどんな良いことがあるの?


阿部 国と国が仲良くなって大使館を作ったり、直行便の就航などができれば観光などにも良い影響が出る。このほかでは医療、ビジネス、技術、教育、治安など幅広く協力関係ができる。バーレーンなどは人口はイスラエルの5分の1で小さいが、国交回復するとい
うことがいろいろな面で実績が出てくるだろう。日本と北朝鮮のように国交回復してないと友好関係が進まない。


太郎この国交回復が日本への影響はあるの?


阿部 イスラエルとアラブ諸国が仲良くなり経済でも政治でもよくなれば、日本にとっても歓迎すべきことだ。いいことばかりでなく心配なことはパレスチナが孤立してしまうことだ。今回のことでもパレスチナは「アラブの大義」は失われた、といっている。500万人のパレスチナの人たちとイスラエルとの関係が悪くなることだけが心配だ。

| その他 | 16:04 | - | - | pookmark |
最新記事
カテゴリ
月別記事
CALENDAR
S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< October 2020 >>
モバイル
qrcode
LINKS
PROFILE