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2007.05.27 Sunday
電力会社の横並び体質が問題
06年10月末に中国電力の土用ダム(岡山県)のデータ改ざんが明らかになってから、全国の12電力の水力、火力、原子力の発電所で不正の報告が約1万回もあった。全国の電力会社が集まっている電気事業連合会(電事連)の発表によると水力で約9千回、火力で約1200回、原子力で450回という。この中で一番関心のあったのは原子力である。環境問題を解決する上での一番良いのは原子力発電であることは間違いない。環境を破壊していると問題になっているお隣の中国でも原発の建設に力をいれていこうという時代である。日本でも06年の原子力白書で環境問題を解決するために原発に力を入れていこうと書いている。
 そうした時に東電の福島第一、第二の原子力発電所や柏崎刈羽原子力発電所、北陸電力の志賀原理力発電所で制御棒が脱落するという事故が隠されていた。こうした臨界事故は国に報告されなければいけないのに、東電や北陸電力は隠していた。
 こうした不正の報告はいずれも2000年以前のものである。それが今何故問題になってきたかである。中国電力の不正が明らかになったのは、社内の派閥争いから内部告発があったためである。会長、社長がお互いに譲らないことから両者が辞めたことで、社内の不正が出た。経済産業省が全国の電力会社に対して調査するように命じたことから次々と出てきた。電力会社は沖縄を含めて全国に10電力あり、このほかに日本原電、電源開発の12発電所がある。各社とも地域では鉄道のJRとともに経済団体のトップについている。そのために横名並びの体質があり、同じようなことをしてきた。その中心が電事連であり、そのトップは現在、東電の勝俣社長が占めている。
 東電は02年夏に原発のトラブル隠しが明らかになり、当時の南社長、荒木会長が辞任するという社内改革を行い、会長には初めて技術系の田村副社長が昇格した。異例な人事の元で田村会長は社内倫理の担当になり、改革した。一昨年の秋に開かれた経営倫理実践センターの勉強会にもパネリストで参加して、いかに社内の改革をしたかを披露した。その中で印象深かったのは「(不正を)しない風土」「させない仕組み」を作ったということである。今回明らかになったケースはいずれもこの事件の前のことである。そうした意味では田村会長が旗を振った改革は間違えではなかった。06年11月に経営倫理で最優秀努力賞を受賞したことに傷をつけることではなかった、といえる。
 東電ではすでに辞めた社員にまで事故隠しについて聞きまわって経済産業省に報告した。各社ともこうした努力が1万回という数字になった。経産省はこの結果について10社について行政処分したものの02年の東電のように発電所の停止処分はしなかった。「過去のこと」ということである。東電は社長直属の「原子力品質監査部」を作った。原子力発電問題の担当の築館副社長は07年6月26日の総会で常勤監査役になり社内の不正に目を光らせる。
| 企業倫理 | 08:28 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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