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2007.07.04 Wednesday
 企業の不祥事は雪印乳業、不二家、三菱自動車工業など製造業が起こしてきた。日本の得意な物づくりがおかしくなった、として大きな問題になってきた。ところが今度は英会話学校では最大手のNOVA(本社大阪市)と訪問介護大手のコムソンが問題になっている。40万人の受講生がいるNOVAについてどうしてこんな問題が出たかを考えてみる。
 NOVAは経済産業省から6月14日から1年以上の長期の契約については6カ月間の業務停止命令が出された。特定商取引法の違反である。違反の事実は違うことを言う「不実告知」、事実に反する「誇大広告」など18の違反事実を認定した。NOVAについては02年に東京都が不実告知で行政指導するなど問題が出ていた。消費生活センターにこうした事実が訴えられていたにもかかわらず、経産省は動かなかった。しかし、こうした苦情が増え続けたことから重い腰を上げて厳しい処分を出した。
 「駅前留学」「お茶の間留学」「人気キャラクターのNOVAのうさぎ」で人気を集めた語学学校がどうして問題を起こしたのか?経営を拡大しすぎたことにある。駅前に1000を目標にした猿橋社長の戦略に破綻が生じた。05年3月時点で687教室だったのが、06年3月時点で994教室と1000にもう一歩になった。ところが講師は6121人から5384人と減った。このためにいつでも時間が取れるといううたい文句が、いつまでたっても時間が取れないということになった。解約したいという申し入れをしても「クーリングオフ」(ある期間までなら解約できる制度)は過ぎた、といって返済しないケースが続出した。このため受講料の変換を巡り裁判が全国で起こされて、07年2月に最高裁でNOVAが負ける判決が出た。こうした裁判の動きを見て経産省も動いたようだ。
 NOVAはジャスダックに上場していることから株価を上げるためにも教室を増やしていかなくてはならなかった。それは訪問介護大手のコムソンでも同じである。猿橋社長は受講生がどのような状態か、よりも株価を上げることのほうに関心があった。こうした語学学校やエステ、結婚紹介業は特定商取引法で取り締まっているが、行政の方もどのようにしたらよいのか、が分かっていない。ニュービジネスについては規制をはずして自由にやらせるというのが、政府の方針でもある。安倍内閣の再チャレンジ制度というのはこうしたニュービジネスを育てることでもあった。しかし、そのように野放し状態で利用者が業者の食い物にされては問題である。今回の経産省と厚生労働省の業者の取り締まりは当然のことであり遅すぎた、という指摘もある。しかし、新しいビジネスについては出来るだけ自由にした方がよいだろう。経営者が儲け主義でなく、利用者の観点を失わないようにするのが大切ではないか。二つの事件はそれを教えてくれた。
    (経済ジャーナリスト 阿部和義)

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