2012.10.09 Tuesday

スカイツリーで墨田区は活性化した

 墨田区産業観光部長 高野祐次(たかの・ゆうじ)

 82年3月上智大学経済学部卒、墨田区役所入所。産業経済課長、新タワー観光推進課長、財政担当課長。新タワー調整担当部長などを経て12年4月から現職。54歳。

 

 −スカイツリーができてから墨田区の観光にどのような良いことが出てきましたか?

 5月22日に開業してから約3カ月ですが、観光だけでなく地域の活性化に非常に良い効果が出ています。数字で上げますとスカイツリーによって1年間で2500万人の来訪者と880億円の経済効果が上がると予測していました。ところが2カ月間で1千万人の人が来ました。当初の予想以上の人が来ています。それに墨田区の名前が全国で知られるようになりました。今までは墨田区と言っても知らない人が多かったですからね。それに墨田区に残っているモノづくりに対して一緒にビジネスをしようという動きが出てきています。

 −具体的に言うとどのようなものでしょうか?

 IT関係のソニーエリクソンと言う会社がありますが、そこが墨田区に残っている飾り職人の技術とばねの技術、それに江戸切子の職人の技術を合わせて、携帯電話のスタンドを作りました。1台3万から5万円の高いものですが売れているようです。墨田区は「すみだ地域ブランド戦略」でブランド認証事業をしていますが、スカイツリーができたことでデザイナーやクリエイターさんたちが墨田区にあるモノづくりについて新しいブランドを作ろうという動きが出てきています。そのほかには飲食店などでも人が集まるということで新しい店ができています。ハワイにあるパンケーキの店の第一号店が浅草通りにできました。昔だったら銀座などにできたのでしょうね。

 −光があれば影もありますが、人が急に増えたので区民からの苦情も多いと聞きましたが。

 ゴミや住民への迷惑行為などは多くなっています。その対策のために6月の補正予算で警備と清掃対策のための予算を取りました。川の清掃などには緊急対策として取り組んでいます。交通渋滞は予想したほど出ませんでした。密集市街地と言うことで車ではとてもいけないという人が多かったのでしょうね。周りの商店街もスカイツリーが開店してから客がそちらに流れ、減ってしまったという苦情がありますが、以前に比べれば増えているのは間違いありません。

 −外国人観光客はどの程度増えていますか?

 数字ではつかんでいませんが街を歩いていると外人観光客は間違いなく増えていますね。そうした事から国土交通省は12年度の予算で訪日外国人旅行者の受け入れ整備事業の戦略拠点の5か所のうちの一つに押上・業平を入れてくれました(コロンブス12年6月号参照)。外国語のパンフレットや電話通訳のサービスなどを行います。外国語の表記なども増やしてゆきます。浅草という観光地を背後にもっていますから、外国人観光客はこれから増えてゆくと思います。

 (11月16日の観光セミナーで講演していただく予定です)

| 観光立国 | 06:59 | - | - | pookmark |
2012.08.06 Monday
 

まだ観光業は坂の上の雲になりえる

 12年4月1日付けで3代目の観光庁長官になった井手憲文氏

 井手憲文(いで・のりふみ)76年3月東大法学部卒、4月に運輸省(現国土交通省)に入省。内閣官房総合海洋政策本部事務局長、10年8月海事局長。12年1月から大臣官房付。4月1日で現職。58歳。

 −現役官僚としては2年ぶりの長官になりますが、抱負をお聞かせください。

 観光業はまだ他の産業と違って「坂の上の雲」を目指している新しい産業です。東日本大震災などで落ち込んでいますが、弾みをつければ坂の上の雲になります。そのために次のような三つの事をしようと思ってます。一つは海外からの客を増やすために日外国観光客(インバウンド部門(セグメントに別けて分析します。観光というのはいろいろな部門から成り立っておりきめ細かな事が必要です。二つ目はイベントを打ってもそのままではダメでフォローをしてゆかなくてはならない。観光産業を強くしてゆかなくてはなりません。三つ目は観光庁の組織を強くするだけではなく、政府観光局などの団体に高度な能力を蓄積してゆくようにしてゆかなくてはなりません。こうした指導も必要でしょう。

 −3月の訪日観光客の落ち込みは2010年に比べて4・4%と落ち込み幅は減ってきています。それでもまだマイナスですね。

 確かに一時のように二桁のマイナスから一桁になってますがプラスではありません。細かな手当てをしてゆかなくてはいけないと思いますが、すべてに効く万能薬はありません。6月からは海外への観光マーケットへのメディア対策を打ちます。旅行会社への働きかけなどもします。部門ごとの取り組みもしてゆきます。風評被害もまだあります。世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)が4月16日に仙台で開かれました。世界中からホテル、航空会社の観光関連企業約100社のトップが来ました。そこで放射能の話しがありましたが、ソウルよりも仙台の方がマイクロシーベルトは少ないというような話も出ました。韓国の責任者とも話をしましたが、両国が協力して観光客を増やす事で一致しました。ツアーによる観光客を増やし5年後には1800万人の訪日観光客にしたいものです。

 ー東日本大震災の影響で東北地方は観光面でも痛手を負ってますが、どう回復してゆきますか?

 「オックスフォードエコノミックス」という調査機関によると日本の回復力は早いと言っています。それでも私は東北地方の戻りは弱いと思っています。そこで5月から東北の観光を強化してゆきます。航空路でも福島空港では中国、韓国便が運休しています。これを早く回復させます。チャーター便なども増やしてゆきます。オープンスカイ政策も進めてゆきます。安い飛行機のLCCの東北地方への参入も進めます。ビジット・ジャパン・キャンペーンで13重点地域が決められてますが、マレーシア、インドネシアからの客を増やしてゆきたいと思ってます。中国との尖閣列島の問題は観光面で悪影響が出るという心配していません。

| 観光立国 | 10:58 | - | - | pookmark |
2012.05.12 Saturday
 

3・11以降は観光客は激減で手の打ちようがなかった。安心・安全な観光地をどう作ってゆくのがこれからの勝負です。

 ザ・ウィンザー・ホテルズインターナショナル社長 窪山哲雄(くぼやま・てつお)

 東京都出身。71年3月慶応大学法学部卒、75年5月コーネル大学ホテル経営学部卒。ヒルトンホテルズ・コーポレーション入社、78年11月ホテルニューオータニ東京本社入社、89年10月東京ベイヒルトン副総支配人、91年1月NHVホテルズインターナショナル(現ハウステンボス)社長。97年1月から現職。63歳。

 −08年夏に開かれたG8の北海道洞爺湖サミットのメイン会場に指定されて世界中で評判になりました。このホテルを経営するようになったいきさつを教えてください。

 この場所を持っているのが警備保障会社のセコムです。それまでは北海道拓殖銀行が融資していたカブトデコムという会社がホテルを経営していたのですが失敗して、その後を引き受けました。私はそれまでに日本興業銀行現みずほコーポレート銀行)などが出資していた長崎のハウステンボスのホテルを経営していました。ハウステンボスは経営が大変でしたが、ホテルは5年連続黒字で経営状態が良かった。私はそのために3間は休みなしで働きました。こうした実績が認められてホテルをやってみないか、セコムの飯田亮相談役から誘われたのです。

 −それにしてもホテルの経験をいろいろしていますね。

 米国のコーネル大学でホテルの勉強をしてヒルトンに入り、ウォルドルフ・アストリア(ニューヨーク)に配属になりました。昭和天皇が訪米した時はこのホテルの担当になりました。ニューオータニではハワイのカイマナビーチホテルの副総支配人、同じホテルのロサンゼルスの副支配人などの経験をしました。その後はニューオータニのコーポレートマーケティング総括支配人になって辞めました。日本のホテルについていろいろなことを感じますが、一番の問題はホテル教育ができていない事でしょうね。ホテルはサービス業ですから人なのです。私もホテルマンを教育するためにウィンザーホテル洞爺ホテルスクールを02年6月から作っています。

 −昨年起きた東日本大震災ではホテル業は被害を受けました。どうでしたか?

 地震の時は北海道で30人ぐらい集まった会議をしてました。地震についてはそれほど大きいとは感じませんでした。しばらくして東京都の事務所と連絡が取れなくなり大変な地震だと思い始めました。2011年度はリーマンショックから立ち上がり始めてこれからというときにこの地震でキャンセルが相次いで手の打ちようがありませんでした。外国人の依存率の大きいところは大変でした。幸いに私のところは5%ぐらいに依存度なので被害は少ないほうだったのでしょう。福島第一原発の放射能漏れの影響が外人観光客に影響しました。安があれば日本に観光に来ませんよ。

 −これからの観光業に何が必要ですか?

 今までホテル業一筋で来ましたが、値段が高いホテルの方が人が集まるという事だと思います。良い施設、安心・安全、ヒューマンウエア(人材)の3つが必要です。特に日本のホテルについては安ければ人が集まるという考えが根強くありますが、それは違います。値段が高くてもサービスが良いホテルがこれから勝つということです。そのためには何度も言いますが、ホテルマンの教育が必要ですね。

| 観光立国 | 02:59 | - | - | pookmark |
2012.03.27 Tuesday
 

観光立国を支える人たち

 観光客は東日本大震災の前までに戻った。これからは韓国からの観光客の誘致に力を入れて2016年に1800万人を目指す。

 国土交通相観光庁国際交流推進課長

 亀山秀一(かめやま・しゅういち)

 岐阜県関市出身。88年東大法学部卒、4月に運輸省(現国土交通省)入省。大臣官房総務課国会連絡室長、総合政策局総務課企画官などを経て日本政府観光局ニューヨーク事務所長。2011年7月から現職。46歳。

 ―昨年3月11日の東日本大震災が起きてから原発事故もあり日本への観光客は減っていますが、実情はどうなっていますか?

 2012年1月は前年度に比べて4・1%減と減り方が減ってきています。地震の後の11年4月は前年に比べて70%の減り方ですから、観光客は戻ってきたと思います。地域的に見ると春節で休みだった中国は4割も延びているのに韓国がマイナス35%と相変わらず悪いのです。韓国は日本への訪日観光客数では毎年トップですから、韓国からの観光客を増やす事が最大の問題です。この原因は福島原発の放射能の影響がネットで書かれているのが事が大きいですね。韓国は日本以上にネット社会ですから。ウォン安円高の影響もありますが。中国や香港、台湾は11年11、12月は単月で過去最高になってますから大震災の前の状態を超したといってよいでしょうね。

 ―大震災以降に溝畑長官などはあらゆるメディアに出て日本は安心・安全と宣伝してましたですね。

 いろいろな手段で情報を伝えました。現地説明会を100回以上しました。トップの働きかけとして日中韓観光大臣会合でも安全を強調し、日本での会合(MICE)のキャンセルはしないように書く方面に働きかけました。海外のメディアや旅行会社の人たち1000人を日本に呼んで、見てもらいました。記事も書いてもらい反響がありました。こうした努力が実を結んできたと思います。

 ―ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)はこれからどのようにしてゆきますか?

 今までの12の重点地域にマレーシア、インド、ロシアを入れて15にしていましたが予算の関係もあってロシア、インドは外しています。今年は日本・インド国交60周年なのでいろいろな行事をしますのでそれに合わせて観光客の誘致をします。13の重点市場の上に最重要市場して中国、韓国、台湾、香港、米国に力を入れてゆきます。特に韓国ですね。

 ―大震災から1年経ちますが、攻めのキャンペーンをしますか?

 「ジャパン・サンキュー」運動を展開します。世界へ感謝の気持ちを伝えて日本への観光誘致をしていきます。特別なロゴをつくって特別なポスターを空港や主要な観光地に張り出します。東京マラソンなどでは「サンキュー・カード」を配りました。桜の季節には銀座、丸の内、秋葉原などで「サンキュー」の桜を咲かせる。米国のニューヨークにもタイムズスクエア周辺に桜を咲かせる予定です。世界旅行ツーリズム協議会」(WTTC)のグローバルサミットが日本で初めて12年4月16日から19日まで仙台と東京で開かれますが、この席でサンキューキャンペーンを展開して世界の人たちに感謝します。

| 観光立国 | 06:08 | - | - | pookmark |
2011.01.24 Monday
 

観光立国を支える人たち

 沖縄の観光立国を訴える

 沖縄の普天間基地の移設問題で、鳩山首相は名護市の辺野古にする事を沖縄県の仲井真知事に伝えた。沖縄の人たちは公約違反と怒っている。こうした軍事で無く観光で復活させようとしている。

 くらしのリサーチセンター副会長・専務理事 工藤芳郎(くどう・よしろう)

 大分県日出町生まれ。58年中央大学法学部卒業。59年から日本国際貿易促進地方議員連盟で働く。その間に中国国際貿易促進委員会の招きで北京、上海に行き北京市長とパンダの交換の約束をする。71年に全国消費者団体連絡会代表幹事。89年に現職。75歳。

 −NPOの「Japan Now情報協会」の観光立国セミナーで沖縄の観光振興を話しました。くらしのリサーチセンターとどんな関係があるのでしょうか?

 くらしのリサーチセンターは企業、行政、国民生活者で構成されており、3社が話し合っていろいろな事を解決しようとしています。そこには和の精神があります。観光は平和だから成り立つ産業であり、沖縄で観光振興を図るという目的でいろいろなところで訴えてきています。沖縄には4回ほど行っており、仲井真知事とは副知事の時から付き合っており話し合っています。沖縄の米国の海兵隊が抑止力になっているといいますが、沖縄を平和な観光地にする事で抑止力になります。

   ―具体的にはどのようなプランを持っていますか?

   待ちの観光から攻めの観光にする事を目指します。沖縄は地政学的には西南アジアの中心であり、自然ではきれいな海、亜熱帯林、サンゴ礁、ジュゴンなどがあります。文化では民謡、織物、泡盛、長寿などの特性がある。こうした特性を生かすために具体的な課題として、ハブ空港の設置、国際間鉱泉が接岸できる港湾の整備、鉄道を島に作る、国際会議場の設置などを急がなくてはならないでしょうね。こうしたことが実現するためには沖縄の基地問題を解決しなくてはなりません。私は基地を撤廃して、観光を盛んにして抑止力にすべきだと訴えています。鳩山首相が訴えている「東アジア共同体構想」の中に沖縄地域の観光を位置づければ良いと思います。

   ―具体的な沖縄観光の話をお願いいたします。

   私は沖縄の特性を生かしてもらいたいと思います。自然が優れており北部の山林には希少価値のある動物、植物がいます。海はサンゴ礁でジュゴンがいます。道路にはイリオモテヤマネコなどもいます。食べ物は豚肉料理がおいしく、飲み物はなんといっても泡盛でしょう。音楽は三線(さんしん)で踊りもありますね。沖縄の人は長寿で人間的にぬくもりがあります。泣き言は言わずに我慢強いです。人の前ではいつも朗らかで明るい顔をしています。私は沖縄に行くといつもホットします。癒されます。

   ―カジノを作ったらよいという話しがありますが。

   私は賛成できません。沖縄に金融街を作ったりカジノを作ったりすれば本来の良さが失われてしまう心配がありますよ。それよりも立派な国際会議場を作って、世界中から人を呼ぶ事でしょうね。 

| 観光立国 | 05:13 | - | - | pookmark |
2011.01.06 Thursday
 温泉イノベーションで産業興しをして観光振興に結び付けたい

観光立国を支える人たち 熱海市長 齊藤栄(さいとう・さかえ)

 東京都品川区出身。85年東京工業大工学部土木工学科卒。88年大学院修士課程終了後、国土庁入庁。大都市圏整備局計画課主査、土地局国土調査課専門調査員などを経て退庁。01年1月慈慶学園(本部東京)勤務。04年2月岩国哲人衆院議員政策担当秘書などを経て、06年9月熱海市長就任。現在2期目。47歳。

 ―熱海とはまったく関係ない東京・品川生まれでありながら熱海の市長になったのはどん成り行きですか?

 私は技術系で国土庁に入って大都市圏の計画課などで勤めているうちに、地方の首長になりたいと思っていました。縁があって熱海の市長になりましたが仕事は面白いですね。市長になって感じるのは熱海はいろいろな観光資源がありながら、市民の人がそれに気がつかないことですね。私の名刺に「あたみ桜」の写真を載せているんですが、知っている人は少ない。1月に梅と一緒に咲くんです。それは見事なもんです。もみじも梅園にあり素晴らしいです。東京で経済人20人の会で聞いたところ「河津桜」は知っている人が多いのに「あたみ桜」は誰も知らなかったですね。こうした資源があるのに外に打って出ないのが問題です。意識改革が必要だと思います。

 ― 2期目になりこれから観光にどのように取り組んでいきますか?

 熱海市観光協会、市民、職員の意識を変えることが必要だと訴えています。観光地としての「おもてなしの心」が大事です。ところが昔の良い時代の思い出があるために変えようとしないのです。外から来た私が出来るのはそうした考えを変えさせることです。旅館などの観光業者はいかに観光客に金を落とさせる事を考えています。そうではなく今は金を落とさなくても将来、客としてきて落としてくれる事を考えなくてはいけません。市民の人に熱海について知ってもらおうと「熱海検定」を始めました。私も妻と受けましたが前の晩勉強して受かりました。合格率は9%ですから、かなり難しい試験でしたよ。

 ―温泉イノベーションを唱えて経済の活性化を目指していますが、具体的にどのような事をしますか?

 温泉を核にして市にある資源を行政、企業・団体、大学・研究機関との連携で地域活性化を目指すものです。進行中のプロジェクトとしては慶応大学環境情報学部の武藤佳恭教授が中心になっている温泉熱を利用した低温度発電システムがあります。市内にある旅館の日航亭でこれで発電した電力で10年12月13日からクリスマスツリー2本を飾りました。LED電球100個を付けています。このほか熱海の温泉水と丹那トンネルの湧水を組み合わせた飲料水を開発しています。こうしたイノベーションにより産業興しをして観光に結び付けたいですね。後は海外から学会を招いて、熱海のよさを宣伝したいと思っています。

| 観光立国 | 10:32 | - | - | pookmark |
2011.01.06 Thursday
 

観光学博士の市長が地元に帰って温泉地の復活に力を入れる。理論どうりになるか注目される

観光立国を支える人たち 石川県・加賀市長

 寺前秀一(てらまえ・しゅういち)

 石川県加賀市生まれ。72年東大法学部卒。運輸省(現在の国土交通省)に入省。国際運輸・観光局政策課国際渉外官、広報室長、貨物流通企画課長などを経て、01年7月気象庁次長。日本観光協会理事長などを経て06年4月高崎経済大学教授。09年10月から加賀市長。61歳。

 −「観光・人流政策風土記」(システムオリジン)という本を出版されました。何故、人流なのでしょうか?

 観光という言葉がはやっています。私は大学で観光政策を教えていますが、観光の定義をしなくてはいけないと思って勉強しました。ところが観光という言葉は定義が出来ません。観光なのか、仕事なのか、単なる遊びなのか、分かりません。ますます観光とそれ以外のことが一緒になってきています。観光とそれ以外の区別はなくなってきています。それなら人の動きから観光を見てみようという事で人流という言葉を作りました。

 −風土記というのはどういうことでしょうか?

 大学で地域政策学部で教えていました。観光政策論を教えていて生徒に卒論を書かせるために私が北海道から沖縄までのブロック単位の政策論を展開しました。地方の議会で観光という言葉がどれほど使われているかなどを調べました。それほど多くない事が分かりました。例えば北海道などは森林面積が多いように感じているでしょうが、東北地方などのほうが多いのです。森林破壊のうえで観光が成り立っています。アイヌの文化よりも外からの「よさ来いソーラン」や「雪祭り」などがやりやすいのです。

 −何のために地域は観光に力を入れているのでしょうか?

 昔は外貨獲得のために観光をするということが法律で出ていました。今は観光は地域の誇りのためにする、というようになっています。いまや国土の均衡ある発展が成功して、全国が一律になってきておりそれほどの違いはない。そうした中での観光政策は誇りを取り戻すという事に尽きます。そこで人流政策が必要になってくるのです。

 −観光政策をしている旧運輸省に入り、観光協会の理事長を務め、大学の先生で観光政策を教え、今は市長です。いろいろな経験をしていますが、何が一番面白かったですか?

 大学の教授ですね。論文を書くということは個性の発揮です。人と違う視点でものを見なくてはかけません。それに筋を通さなかったら論文になりません。役人でも筋を通す事が必要で似ていますよ。

 −加賀市長として観光政策の上から何をしようとしてますか?

 観光学の博士号を持っている市長は私だけでしょうね。加賀の温泉地は山城、山中、片山津は昔の温泉地というイメージが残っています。このイメージを払拭して東京圏からの客を増やさなくてはいけないと思っています。幸いに北陸新幹線が2012年に延長するのでチャンスです。現在は200万人を割っている観光客を300万人にする構想を立てています。観光学博士のやる事に期待してください。

| 観光立国 | 10:28 | - | - | pookmark |
2010.12.06 Monday
 

観光立国を支える人たち

 厳しい旅館業界とホテル業界に必要なものはおもてなしの心を磨く事です 

 日本ホテル元顧問 ホテルメトロポリタン元社長 荒井詔二郎(あらい・しょうじろう) 

 1967年3月立教大学経済学部卒、第一ホテル入社。90年第一ホテル東京ベイ総支配人、92年第一ホテル取締役、2000年第一ホテルサービス社長。05年7月ホテルメトロポリタン社長・総支配人。07年日本ホテル副社長、08年7月日本ホテル顧問。66歳。

 ―大学を卒業してから第一ホテルに入ってホテル一筋に仕事をしてきましたね。どんなところで仕事をしてきましたか?

 日本長期信用銀行(現新生銀行)の子会社であった第一ホテルはつぶれてしまいましたが、いろいろなところを回りましたよ。新橋の本店で研修したあと、高地第一ホテルで料飲支配人をし、ついでグアム第一ホテルで料飲支配人のようなF&BManegarをしました。そのあとは富山第一ホテルで副総支配人、吉祥寺第一ホテル開設準備室長・副総支配人、ついで第一ホテル東京ベイ副総支配人になりそのあとで総支配人を勤めました。そのあとは第一ホテルの取締役になり経営の仕事になりました。

 ―現在のホテル事情はどうなっていますか?

 その前に旅館とホテルの話をしましょう。ホテルは性善説で成り立っています。お客は悪い事はしないということで経営されてます。ところが旅館は性悪説です。お客は悪い事をするという前提で動いています。旅館は家業で不合理な事が多いですがホテルは合理です。旅館が一室いくらに対してホテルは一人いくらというように違います。今、旅館がどんどん減ってきています。厚生労働省の調べではピークの1980年末は8万3226軒あったのが、09年3月末で4割減って5万846軒になりました。一方、ホテルの方は09年末は9603軒で80年末に比べて4・7倍になってます。外国からのホテルが増えている事とビジネスホテルも増えています

 ―旅館の生き残り作戦はどんなことがありますか? 

 私は旅館はこれからも減ってゆくと思います。後継者がいない事と再投資ができないからです。鬼怒川の旅館は足利銀行が経営難になって投資ができずに寂れています。そうした中で注目されるのは格安の旅館グループが出来ています。例えば伊東園グループ、湯快リゾート、大江戸温泉などです。チェーン化も進んであり格安旅館グループのほか、共立メンテナンス、オリックス、などです。

 旅館はおもてなしの心を磨きかけないといけないでしょうね。石川県にある加賀屋は外国からの観光客が今でも絶えません。台湾にもオープンしノウハウを提供するという事です。ホテルについては私はJRや京王などの電鉄系と三菱地所、三井不動産などの不動産系に集約されてゆくと見ています。

| 観光立国 | 09:11 | - | - | pookmark |
2010.07.28 Wednesday
観光立国を支える人たち

 沖縄の観光立国を訴える

 沖縄の普天間基地の移設問題で、鳩山首相は名護市の辺野古にする事を沖縄県の仲井真知事に伝えた。沖縄の人たちは公約違反と怒っている。こうした軍事で無く観光で復活させようとしている。

 くらしのリサーチセンター副会長・専務理事 工藤芳郎(くどう・よしろう)

 大分県日出町生まれ。58年中央大学法学部卒業。59年から日本国際貿易促進地方議員連盟で働く。その間に中国国際貿易促進委員会の招きで北京、上海に行き北京市長とパンダの交換の約束をする。71年に全国消費者団体連絡会代表幹事。89年に現職。75歳。

 −NPOの「Japan Now情報協会」の観光立国セミナーで沖縄の観光振興を話しました。くらしのリサーチセンターとどんな関係があるのでしょうか?

 くらしのリサーチセンターは企業、行政、国民生活者で構成されており、3社が話し合っていろいろな事を解決しようとしています。そこには和の精神があります。観光は平和だから成り立つ産業であり、沖縄で観光振興を図るという目的でいろいろなところで訴えてきています。沖縄には4回ほど行っており、仲井真知事とは副知事の時から付き合っており話し合っています。沖縄の米国の海兵隊が抑止力になっているといいますが、沖縄を平和な観光地にする事で抑止力になります。

―具体的にはどのようなプランを持っていますか?

待ちの観光から攻めの観光にする事を目指します。沖縄は地政学的には西南アジアの中心であり、自然ではきれいな海、亜熱帯林、サンゴ礁、ジュゴンなどがあります。文化では民謡、織物、泡盛、長寿などの特性がある。こうした特性を生かすために具体的な課題として、ハブ空港の設置、国際間鉱泉が接岸できる港湾の整備、鉄道を島に作る、国際会議場の設置などを急がなくてはならないでしょうね。こうしたことが実現するためには沖縄の基地問題を解決しなくてはなりません。私は基地を撤廃して、観光を盛んにして抑止力にすべきだと訴えています。鳩山首相が訴えている「東アジア共同体構想」の中に沖縄地域の観光を位置づければ良いと思います。

―具体的な沖縄観光の話をお願いいたします。

私は沖縄の特性を生かしてもらいたいと思います。自然が優れており北部の山林には希少価値のある動物、植物がいます。海はサンゴ礁でジュゴンがいます。道路にはイリオモテヤマネコなどもいます。食べ物は豚肉料理がおいしく、飲み物はなんといっても泡盛でしょう。音楽は三線(さんしん)で踊りもありますね。沖縄の人は長寿で人間的にぬくもりがあります。泣き言は言わずに我慢強いです。人の前ではいつも朗らかで明るい顔をしています。私は沖縄に行くといつもホットします。癒されます。

―カジノを作ったらよいという話しがありますが。

私は賛成できません。沖縄に金融街を作ったりカジノを作ったりすれば本来の良さが失われてしまう心配がありますよ。それよりも立派な国際会議場を作って、世界中から人を呼ぶ事でしょうね。
| 観光立国 | 07:20 | - | - | pookmark |
2010.07.05 Monday
観光立国を支える人たち

 沖縄の観光立国を訴える

 沖縄の普天間基地の移設問題で、鳩山首相は名護市の辺野古にする事を沖縄県の仲井真知事に伝えた。沖縄の人たちは公約違反と怒っている。こうした軍事で無く観光で復活させようとしている。

 くらしのリサーチセンター副会長・専務理事 工藤芳郎(くどう・よしろう)

 大分県日出町生まれ。58年中央大学法学部卒業。59年から日本国際貿易促進地方議員連盟で働く。その間に中国国際貿易促進委員会の招きで北京、上海に行き北京市長とパンダの交換の約束をする。71年に全国消費者団体連絡会代表幹事。89年に現職。75歳。

 −NPOの「Japan Now情報協会」の観光立国セミナーで沖縄の観光振興を話しました。くらしのリサーチセンターとどんな関係があるのでしょうか?

 くらしのリサーチセンターは企業、行政、国民生活者で構成されており、3社が話し合っていろいろな事を解決しようとしています。そこには和の精神があります。観光は平和だから成り立つ産業であり、沖縄で観光振興を図るという目的でいろいろなところで訴えてきています。沖縄には4回ほど行っており、仲井真知事とは副知事の時から付き合っており話し合っています。沖縄の米国の海兵隊が抑止力になっているといいますが、沖縄を平和な観光地にする事で抑止力になります。

―具体的にはどのようなプランを持っていますか?

待ちの観光から攻めの観光にする事を目指します。沖縄は地政学的には西南アジアの中心であり、自然ではきれいな海、亜熱帯林、サンゴ礁、ジュゴンなどがあります。文化では民謡、織物、泡盛、長寿などの特性がある。こうした特性を生かすために具体的な課題として、ハブ空港の設置、国際間鉱泉が接岸できる港湾の整備、鉄道を島に作る、国際会議場の設置などを急がなくてはならないでしょうね。こうしたことが実現するためには沖縄の基地問題を解決しなくてはなりません。私は基地を撤廃して、観光を盛んにして抑止力にすべきだと訴えています。鳩山首相が訴えている「東アジア共同体構想」の中に沖縄地域の観光を位置づければ良いと思います。

―具体的な沖縄観光の話をお願いいたします。

私は沖縄の特性を生かしてもらいたいと思います。自然が優れており北部の山林には希少価値のある動物、植物がいます。海はサンゴ礁でジュゴンがいます。道路にはイリオモテヤマネコなどもいます。食べ物は豚肉料理がおいしく、飲み物はなんといっても泡盛でしょう。音楽は三線(さんしん)で踊りもありますね。沖縄の人は長寿で人間的にぬくもりがあります。泣き言は言わずに我慢強いです。人の前ではいつも朗らかで明るい顔をしています。私は沖縄に行くといつもホットします。癒されます。

―カジノを作ったらよいという話しがありますが。

私は賛成できません。沖縄に金融街を作ったりカジノを作ったりすれば本来の良さが失われてしまう心配がありますよ。それよりも立派な国際会議場を作って、世界中から人を呼ぶ事でしょうね。
| 観光立国 | 08:25 | - | - | pookmark |
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